クローバー図書館の住人たち

図書館の住人たち

クゥちゃんをその場に残して、私たちは一階の閲覧室へと下りた。

早速、みんなに手伝ってもらいながら、本の整理を進める。


「…………」

後ろの方で、柊さんも、もくもくと作業をしてくれていた。
言うと、また突っ張られそうなのでそっと心の中で感謝。

千紘
(文句は言ってるけど、ちゃんと柊さんも
 手伝ってくれるんだ。ありがたいな)

そこを意外に思っていると、声をかけられた。

一樹
「少しは、慣れましたか?」

千紘
「はい。でも、まだまだです」


「だろうね」

一樹
「柊」

たしなめるような一樹さんの言葉に、柊さんは肩をすくめた。


「俺は、よく頑張っていると思うよ」

千紘
「ありがとうございます」

莉玖
「ボクは、もっと遊んでもいいと思うな」


「莉玖は……遊びすぎ。
 また、俺の絵の具を勝手に……混ぜていた」

莉玖
「ええー、いい色だと思ったのに」


「そうそう。
 莉玖、砂糖と塩のラベルを入れ替えるのはやめてほしいな」

莉玖
「全然、引っかからないくせに」


「それくらいすぐわかるよ。鼻が利くんだ」

千紘
(なんだか、みんな仲がいいみたい……)

それに同意するように、いつの間にかやってきていた
クゥちゃんがグルグルッと喉を鳴らしていた。

千紘
(本当に、変なことがなければいい職場なんだけど……)