泰斗
「――ずっと探していた、会いたかった」
愛麗
「え――……」
泰斗
「この日をどれだけ待ち望んだか。この日のために私
は生きてきたと言ってもいいくらいだ。辛いことも
悲しいこともこの日のために乗り越えてきた」
愛麗
「あ、あの……」
泰斗
「もう離さない、ずっと私の傍に―――――」
愛麗
「きゃああああああっ、離して、離してぇっ!」
これは絶対に新手の詐欺に違いないわ!
このまま誘拐されてもどうしようもないのに!
泰斗
「……何故嫌がる、愛麗」
愛麗
「なんで私の名前を知っているんですか!?
そもそも、貴方、誰なんですか!?」
泰斗
「……ひょっとして、私がわからないのか」
愛麗
「わかるも何も初対面です、存じ上げません!
いいからこの手を離していただけませんか!」
泰斗
「いやだ。愛麗は抱いていると
柔らかくて気持ちがいい」
愛麗
「そういうことはご自分の枕や人形でお願いします!」
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