【祇王】
「…………むぅ」
【愁一郎】
「…………む」
痛い。
ふたりの視線がものすごく痛い。
まあ、その理由は言わずもがな、なんですけど……
【沙耶】
「あのね、高虎くん……」
【高虎】
「なんですか、先輩?」
【沙耶】
「ここ、居間」
【沙耶】
「周り、人がいる」
【沙耶】
「こういうことは控えようね」
ひとつひとつ区切って、わかりやすく言ったおかげか、
高虎くんはにっこりと笑い、
【高虎】
「はい、わかりました」
さらにぎゅっと抱きついてきた。
あはは〜。
ちーっともわかってないや。
【沙耶】
「はいはい、もうお終いです」
さらに強まった非難の視線に耐えきれなくなったので
自分でこのおんぶお化けめいた後輩を引っぺがす。
【高虎】
「ちぇ……」 |