【高虎】
「――見つけた」
【沙耶】
「え……」
【高虎】
「見つけたぞ、壱人ーーーーーーーー!!!!」
高らかな音を響かせて刃が交じり合う。
目も眩むような火花が夜闇に飛び散る。
【壱人】
「ガキ――今夜はお前と遊ぶ気分じゃねーんだよ。
せっかく助かった命を散らしたくなけりゃ、おとなしく退きなっ」
嘲りと共に振り下ろされた黒刃は、
真っ向から打ち返される。
【壱人】
「な、に……?」
【高虎】
「せっかく助かった命だ。無為に散らす気はない」
壱人の驚愕を断つように長さの違う双刃が舞う。
【高虎】
「――利光の太刀は鬼を斬る。いざ」
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