『あさき、ゆめみし』トップへ
 
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― 遠い日の思い出 ―

【愁一郎】
 「あの子は叔母さんの養女扱いなんだな。
  全く、アイツの考えには反吐が出る」

【愁一郎】
 「いっそのこと、叔母さんのところに預ければいいものを。
  伊織の本家に置いても腫れもの扱いされるだけだ」

【虚空】
 「貴方に懐いているのに追い出すつもりですか?」

【愁一郎】
 「そういうつもりはない。ただ可哀そうなだけだ。
  あちらにも子どもはいない。形ばかりの養女ではなく、
  ちゃんと一緒に住んだ方がいいと思っただけだ」

【虚空】
 「現当主の妹御は、伊織の力を持たない。
  あの子の身に何かあった時に守ってあげれません」

【愁一郎】
 「……血のことは聞いている。
  けど、普通の女の子と変わりないじゃないか。
  襲われるなんてことあるのか?」

【虚空】
 「わかるのですよ、バケモノには」