季節が廻り、無事に高校三年生になったフリーランスの退魔師【伊織 沙耶 (いおり さや)】。
大型連休を目前に控え世間が浮かれる中、相変わらずの財政難に頭を悩ませていた。
そんな折、再び情報屋から“割のいい仕事”の話が舞い込み、
相棒の妖(あやかし)【祇王(ぎおう)】と共に依頼人がいる耶多村(やたむら)へと向う。
やがて、村に到着した二人は、途中で出会った
依頼人の孫である大学生【三輪健(みわたける)】のボディーガードと、
最近結界が綻び始めている村の古い五つの祠をお祓いすることが今回の主な仕事であることを知り安堵する。
しかしそれも束の間、数日後沙耶の前に現れたのは・・・
紫紋から重要な物を盗み出した妖【瑠狼(るろう)】。
それを追う血の繋がらない従兄妹の退魔師【愁一郎(しゅういちろう)】とその相棒の妖【虚空(こくう)】。
沙耶を探しに来た退魔師の後輩【高虎(たかとら)】。
そして、何故か健と沙耶に激しい敵意を見せる不思議な雰囲気の少年【クイラ】。
その頃、沙耶がお祓いを任された古い五つの祠では、更なる異変が起ころうとしていた。
微かに感じる血の匂い、うごめきだす物の怪の気配、それは・・・静かに忍び寄る波瀾の予感。
結界で守られた耶多村の歴史の謎が明らかになるにつれ、沙耶の運命の糸も新たな物語を紡ぎ始める・・・
舞台は現代日本。
人と、人でなきもの―魑魅魍魎や妖怪のはびこるこの国の陰でそれらと戦い、
調伏する者―退魔師はその異能を隠し、
人の社会に紛れて生きている。
主人公は妖退治の依頼を請け負うフリーランスの退魔師兼女子高生。
夜の底の住人である魑魅魍魎を退治する専門家。
剣で戦う者、術で戦う者と様々なタイプがいる。
その能力は人の目に触れてはならないという厳しい掟がある。
符術師 : 符と呼ばれる紙に五行の力を込め、使用する退魔師。主人公がこのタイプ。
童子使い: 修験道の流れを汲む、守護童子や明王の力を借りる退魔師。愁一郎がこのタイプ。
鬼斬り部: 刀剣の類を用いて魑魅魍魎を調伏する退魔師。高虎がこのタイプ。
紫紋(ゆかりもん):
退魔師の最大組織。
妖の引き起こす怪異を調伏する退魔師を派遣する。
作品中に登場する退魔師の殆どが紫紋に所属している。
魑魅魍魎、妖怪のこと。
人間に敵意を持って襲ってくるものや、友好的なものなど姿形も様々な種類が存在する。
沙耶たちが今回訪れた九州のとある山奥の村。
大自然に囲まれた、どこか懐かしさのあるのどかな風景が広がっている。
アスファルトもひかれていないいわゆる”砂利道”。
山の向こうまで青い空が続いている。
耶多村商店前バス停(耶多村バス停)。
運行はごくわずかで、目の前で行ってしまった時の絶望感は
都会以上のものがあると語るのは三輪健。
「出た直後ならば走れば乗せてくれることもあるので
希望を捨てずに走ってほしい」とのこと。
健が通う大学の古代史科の客員教授である 山門巧(やまと たくみ)の所有する別荘(外観)。
山門はこの別荘を利用し執筆作業に勤しんでいる。
山門教授の別荘内観。
本業は考古学書の執筆なだけに、本棚には分厚い本がいくつもあり
祇王には垂涎ものである。
依頼主であるお婆様、三輪のお家。健の実家。
沙耶たちは依頼中、ここに泊まることになるが、
かなり豪勢である。
三輪家門前。
両側にハナショウブが植えられており、咲き誇る季節の景色はまさに圧巻。
通路はバリアフリー。
三輪家玄関。
旅館を思わせるような広いつくりになっている。
健と沙耶の靴が置いてあるようだ。
長い廊下は庭を一望できる仕様。
お昼寝、読書、おやつの時間などにぜひ利用したい。
日の光と風を存分に家に取り入れることができるが
深夜は怖そうだ。
テレビのある三輪家居間。 広々としたここは食事の際にも使われる。
緑茶にお煎餅でお昼のワイドショーが似合いそうだ。
家の周りを囲む広い庭では
洗濯に素振りや追いかけっこなどが繰り広げられている。
よく整備されており、息を抜くには最適だ。
三輪家のやんちゃ坊主守護神である当真の祠がある一角。
庭を見渡す事ができる場所にある。
光代さんがいつもお供え物をしている。
沙耶たちが依頼中宿泊することになる個々のお部屋。
かなり広く、1人1部屋が割り当てられ、
あわよくば相部屋に…なんてことはなさそうだ。
三輪家のお婆様のお部屋。
1日中部屋にいるというが、綺麗に整頓されており
まるで客間のような綺麗さ。
お婆様の部屋と同じつくりだが
そこかしこに可愛さがある。
手帳を盗み見たら怒られること必至だ。
健の自室。
小ざっぱりしているようで、結構ざっくばらんに物が置いてある。
奥の棚には歴史書と、手前の机には…はにわ…。
祇王の部屋。
積まれた古めかしい蔵書は三輪家の物だろうか。
本以外に何もないが、せめて座布団を持ってくることをお勧めしたい。
一瞬見ただけでは使われていない部屋の様相だが
よく見ると机に灰皿が置いてある。
煙草とお財布さえあればどこへでも行ける男(仮)、愁一郎の部屋だ。
白い乳鉢と薬研が目を引く虚空の部屋。
外は虫の音と風と木々のせせらぎ、
健の素振りの掛け声、高虎の沙耶を探す叫び声
猫の鳴き声、光代さんが布団を叩く音しか聞こえないここでは、
すさまじい集中力を発揮できそうだ。
高虎が使用している部屋。
至って殺風景だが、愛刀の手入れ道具は
抜かりなく持ってきているようだ。