クローバー図書館の住人たちⅡ ショートドラマ
樒
…………。
♪SE:ドアの開く音
莉玖
樒ちゃーん、おやつの時間だよー!
今日のおやつは~……
棗
春らしく、苺の蒸しパン。
もうみんなサロンに集まってるよ。
樒
……今、いいとこ……だから……。
莉玖
樒ちゃん、今何描いてるの?
樒
桜の……絵。実物は、見たことがない……から、
想像……だけど。
棗
桜、ちょうど見ごろの時期だね。
この絵の桜も満開だ。
莉玖
ホントだ、すごくキレイだねー、さっすが樒ちゃん。
あ、そうだ!
この絵を見ながらお花見とかどうかなあ?
棗
そんなこと言って、莉玖の場合は
花より団子が目当てなんじゃないの?
樒
…………(うなづく)。
莉玖
う……そりゃあ3色団子とか桜餅とか
いいなーって思うけど!
棗
やっぱりね。
莉玖
棗ちゃんこそ、どうせ「桜といえば根元に死体が……」
って言い出すんでしょ!
前に紫陽花の根元に……とか言ってたし。
あの後しばらく葵ちゃん怯えてたよ?
樒
…………(うなづく)。
棗
うーん、冗談だったんだけどなぁ。
それにどっちかと言うと、あれはクゥのせいだよ。
莉玖
そーゆーことにしといてあげてもいいけどー。
……あ、樒ちゃんの桜の絵、だいぶ出来てきたね!
やっぱりすごーくきれいだねー!
樒
……きっと……実物には、敵わない。
棗
そういうのは、比べるものじゃないよ。
一樹もこの絵を見たらすごく喜ぶんじゃないかな。
樒
そう、か……?
莉玖
ねぇねぇ、やっぱりお花見しようよー!
きっとすごーく楽しいよ。
棗
そうだね、千紘ちゃんに相談してみようか。
もしかしたら図書館のイベントにできるかも。
樒
そう、だな……。ところで……
俺を……呼びにきたんじゃ……なかったの、か?
莉玖
そうだった! みんな待ちくたびれてるかも!
柊ちゃんなんて、短気だしきっと激おこだよー。
棗
ふふ、じゃあ行こうか。
ちょうどいいから、みんなにも
さっきのお花見の話をしてみようか。
莉玖
さんせー! ほら樒ちゃんもはやくはやく!
樒
……ああ。
幸葉
……と、こんな3人が攻略対象の
『クローバー図書館の住人たちⅡ』、
発売まであと20日余り……よろしくね。
幸葉
私にこんな台詞を言わせるなんてね。
まぁ、いいわ。じゃあ、ごきげんよう。
葵
なんていうか艶? そういうのがあれば
もっとこう、ぐっとくる絵になると思うんだよね。
一樹
艶……ですか。
♪SE:ドアの開く音
柊
入るぞ。ここ掃除したいんだが……
ふたりそろって何してるんだ?
……ああ、この間の桜の絵か。
一樹
ええ。とても気に入ったので見ていたのですが
葵が、この絵はもっとよりよくなる余地があると
言うので……。
葵
そうそう。もっと艶があった方が春らしいってね。
柊
艶って……お前な……。
幻想的でいい絵だろ?
葵
オレだってこれが悪いって言ってるんじゃないぜ?
ただ、もっとこう春めいた空気があると
いいんじゃないってこと。
一樹
春めいた、ですか。
私は充分に春を感じる絵だと思うのですが。
そもそも春らしさとは何なのでしょうか?
柊
春か……桜だけじゃなく、色々な花が咲く美しい季節だな。
菜の花、チューリップ、すみれ、たんぽぽ……
空気に色がつくような季節だ。
葵
柊らしいな。
でもオレが言ってるのはそういうことじゃなくて……
柊
それだけじゃないぞ。
スプリングクリーニングという言葉を知っているか?
元は欧米の習慣らしいが、冬の間滞りがちな場所を
掃除するのに、春はもってこいなんだ。
葵
違う。そういう話でもない。
一樹、なんとか言ってやってくれ。
一樹
ふむ……私にとって春といえば、
“出会いの季節”でしょうか。
葵
お? 出会い……いい言葉。
一樹
はい。春になると新しい読み手に出会う機会が増えるんです。
進学や進級の季節だからでしょうか。
勉強や調べもののため、新たに私を手に取る人と
出会うことができるのです。
葵
ああ、そういうことね……。
やっぱり一樹は一樹か……。
一樹
やっぱり、とはどういうことでしょうか。
柊
お前は一体何を期待してるんだ?
葵
決まってるだろ。 春といえば恋の季節。
ロマンスだよ、ロ・マ・ン・ス。
ほんっと、一樹も柊も頭固いっていうかさぁ……。
柊
お前は春に限らず年中そんなもんだろ。
第一、猫じゃないんだからな。
葵
猫の発情期と一緒にするなよ。
一樹
……そういえば、クゥはどうなんでしょうか。
そういった様子を見たことがありませんが……。
柊
……そういえば、そうだな。
葵
…………あいつ、普通の猫じゃないだろやっぱり。
幸葉
『クローバー図書館の住人たちⅡ』では
私と同じでサブキャラクターの3人よ。
……どこかずれた子たちね。
幸葉
来週18日からは、カウントダウンボイスが始まるわ。
予定も出ているようだから確認してみて頂戴。
それじゃあ、また。ごきげんよう。