【薙羽哉】 「なんだ。探しに来たのか?」
【沙耶】 「はい。探さない方が……よかったですか?」
【薙羽哉】 「どっちだろうな」
月光を受ける水面に視線がずれる。 その様子はわたしを拒絶しているようにも見えて足が竦む。
【沙耶】 「…………」
【薙羽哉】 「何突っ立ってんだよ。ほら、こっち、座れよ」
【薙羽哉】 「なぁ、なんでここに俺がいるって思ったんだ? 闇雲に探し回ったわけじゃないんだろ」
【薙羽哉】 「なら……どうしてここに俺がいると思ったんだ?」