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主座様から渡された書類…… 本当に僕達が書いていいのかなぁ |
面倒くさいし、気持ち悪いから書きたくないって 拒否したのは高虎なんだからいいでしょ |
金鬼もかくー! |
はいはい。みんなで書きましょ |
いいのかなぁ…… |
……ええっとこんなところかな? |
身長と体重は身体測定のデータそのままだから ちょっと変動あるかもしれないわね |
金鬼も、えーがだいすきよ! もぎゃーってなるえいがだいすき! |
……アタシも映画自体は好きだけど、 高虎と金鬼が好きなジャンルはちょっと苦手かな |
もう一つの趣味の読書は主に少し古めのミステリーとか 怪奇小説が多いみたいだね |
うすあじのごはん、はんたーい! |
健康にはいいけど、虚空様の好みと違いすぎるのは 問題よね。 調味料セットを常置しているから喧嘩には発展して ないけど食卓の雰囲気が…… |
それより苦手なものに【末那暁】と書いちゃうのは…… 大丈夫なのかな…… |
ほんとーのことだから、だいじょーぶ! 暁もわかってて、いじわるしてるの |
甘いものは珍しく素直に認める弱点ね。 主さまと一緒に作ったイチゴジャムはトーストに 薄く塗って食べてたから口に含んだら倒れる! ってまでは苦手じゃないけど |
本当に苦手なことは表に出さない方だからね。 主さまには本当の自分を見せられるのだろうけど |
ねぇねぇ、“そくだんそっけつ”なーに? |
何でもぱっぱと決めちゃうことよ。 高虎、うじうじ悩むの嫌いでしょ。 ……それもアタシたちには見せないだけ なのかもしれないけどね |
多くの者を率いる頭領には必要な素質だと思うよ。 これから高虎殿は何度も決断を迫られる場面に遭遇 するだろう。 決断に伴う責任を負う覚悟も持っているから |
お前が訳知り顔で解説するのは腹が立つな |
つの!? 角を額に押し込もうとしないでくださ……あぅぅ |
何かと思ったら、暁さんのアホ書類か…… 長所も短所も兄さんからよく言われていたことだから 否定はしないけど…… |
けど?? |
この備考欄は誰が書いたのかな? ――水鬼、風鬼、逃げるなよ |
はい…… |
世界の拷問をまとめた本に載っていた拷問の中から 適当に選んでやってみるか |
やってみるか、じゃないわよ! アタシたち嘘は書いてないわよ! |
………… |
無言でこめかみを ぐりぐりしないでくださいぃぃぃ!!?? |
この部分は消すとして、家族構成なんて必要か? |
かぞくのことはだいじよ。ろーとーのことはかく? |
あいつらのことなら書かなくていいよ。 姉さんたちのことも……ああ、いや、書いてたほうが いいな。 俺に妹はいませんと暁さんに知らしめる ためにも書いておこう |
そうですね。予防線を張るのは大事なことですから |
お前、暁さんに対しては冷ややかな対応するな |
え!? あ、いや、その……あははは…… |
好きな言葉については別に異論はないでしょ? |
他に浮かばないし、それでいい |
かんせいなの! 暁にてーしゅつしてあげるね |
頼んだぞ。そんなアホな書類を欲しがる上司がいて、 俺は不幸だな。先輩に慰めてもらおう |
主座様に個人情報握られたくないなら適当に 嘘八百並べればいいのに |
それが出来ないのは、やっぱり高虎殿が真面目 だからだよ |
だからなんでお前が訳知り顔で解説するんだ? |
先輩に慰めて貰う前に鬱憤を晴らしておこう。 人体の急所と鬼の急所が同じか検証するか |
知ってることじゃないですかっ!? いいいいいえ、逆らうつもりはありませんっ |
どなどな~♪ |
アタシたちが同じ書類を書くとしたら、兄さんの備考欄 には『うっかり発言多し』って書くことになりそうね |