高虎
「チッ――あいつら、いい加減空気を読むことを覚えろよな。
先輩は優しいから誘うことは想定内だったけど誘いを断るのが道理だろ」
わたしの恋人はどす黒い怨念を放ち続けている。
高虎
「風鬼。ちらっとでも先輩を見たら目、潰すからな」
風鬼
「は、はいっ、見ません!」
高虎
「せっかく先輩とプール貸切で遊べると思ったのに」
沙耶
「え? 今日って貸切なの?」
そういえば、わたしたちの他に人影はない。
特別棟内にある屋内プールは夏休み期間は生徒に開放されている。
設備も整っていて、何より新しいので利用者は多いと
ノノさんが言っていたような気がするけど。
高虎
「日頃の行いが良いからでしょうね」
キラキラした笑顔を浮かべる高虎くん。
どうしよう、すごくうそ臭い。
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