沙耶「高虎くん、わたし言ったよね?
わたしが男の人として好きなのは高虎くんで……」
高虎「そんなことをいいながら、
瑠狼にも隙を見せているんですね、あなたは」
沙耶「隙を見せる?
どうしてそうなるの?」
高虎「だってそうでしょう!
隙だらけなんだ。あなたは……!」
高虎「そんなに無防備にみんなにいい顔を見せて……
その癖、俺のことを男として好きだなんて
……振り回して……」
沙耶「振り回してなんていない!
それに隙だらけっていうのも納得がいかないよ!
わたしは……」
高虎「隙だらけなんですよ!
だから――」
高虎くんは正面に回り込むと、
いきなり、わたしの頭を抱き寄せる。