健「は?」
姿を現した少年は、身の丈にあわない
巨大な剣を持って、
ふらふらしながらこちらを見た。
当真「邪馬の神、当真!
三輪健よ、いざ尋常に勝負だっ!」
健「え……あ……いやあの……
俺は守護神と戦おうと思って……」
当真「だから、おいらが守護神、当真だ!」
健「おいおい、冗談やめろよ。
お前みたいなお子様がどうして……」
祇王「これ健殿、外見に惑わされるでない!
これでもわしだって、
健殿の何倍も長く生きておるのじゃぞ」
祇王の言葉に健さんの表情が引きしまる。
そう、目の前にいるのはただの幼い少年ではない。
千年以上もの間、この三輪家と結界を守って来た
邪馬の神なのだ。
健「……わかった。なめて悪かったな」
当真「いいさ、気にするな。
じゃ、いつでもかかってきていいぜ!
もし、おいらから一本でも取れれば
神剣はすぐにお前に渡してやる」
健「わかった。
じゃあ、手加減はしない。行くぞ……」
健さんは木刀を上段に構え、
地面を踏みしめた。
健「はあ!」
突然、跳ねるように上から打ち下ろす。
当真くんは、素早く横にはね、
健に向かって刀を構えた。
当真「へっ、もう終わりか?」
健「まだまだ!」
今度は横ざまに木刀が走る。
当真くんは下にひょいっとしゃがみこんだ。
当真「まだまだ甘いなっ!」
健「何の!」