エドワード3世が始めた百年戦争は、一進一退を続け、ヘンリー6世の時代にジョン王と同じく敗北して終了します。この停戦に向かう過程で生じた軋轢が、イングランドを二分した内乱、薔薇戦争を引き起こしました。対フランス戦の穏健派と主戦派が、それぞれランカスター派とヨーク派に分かれて争います。
赤い薔薇の紋章のランカスター派は、王妃マーガレットに指導され、ヨーク公リチャードを襲撃します。アンジューから嫁いできた王妃は、王太子である我が子エドワードを案じ、反対派の首領ヨーク公リチャードの存在を、日頃より危険視していました。ランカスター一族は、彼女の下で結束しました。
白い薔薇の紋章のヨーク派は、もともとは対フランス戦の主戦派でしたが、強権化して議会をも無視するマーガレットに反発する勢力を吸収し、次第に拡大していきます。また大貴族パーシー家の相続問題から、ヨーク派についたウォリック伯の存在もあり、大勢力となってヨーク公リチャードを支持します。
こうした両派の争いは、規模が規模だけに、洒落にならない程の大きな犠牲を出します。百年戦争の痛手が大きいイングランドにとって、互いに争いを続ける事は無謀極まりない行為でした。そこで両者は歩み寄り、ヨーク公は護国卿として、ヘンリー6世は王としてイングランドを支え合う事を誓います。
そこで『イングランドの光』と名づけられた停戦パーティが催される事となりました。つい先日まで、互いに戦い合った騎士たちも一堂に会し、それまでのしがらみを捨て、これからのイングランドの国作りを誓うのでした。そのパーティへ主人公シャーロットも招かれるところから物語は始まります。