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黄金色に輝く四つ目の仮面を被った翠の表情は見えない。
翠にも穢れに紛れた声は届いているはずだ。
あの声を聞いて、翠はどう思ったのだろう。
千世
「翠、あの……」
言いかけて、思い直す。
そんなことを尋ねても翠を困らせるだけだ。
かわりに、この後のことを口にした。
千世
「耀兄さんへお土産は何にしましょうか」
翠
「今、話さなくてはならないことか?」
千世
「……そうですね。ごめんなさい」
千世
「翠、今日もありがとうございました」
翠
「追儺は方相氏の務め。礼は必要ない」
千世
「未熟な私でも任を全うできたのは翠や四維の皆さんのおかげですからお礼は言わせて下さい」
翠
「…………」
千世
「どうかしましたか?」
翠
「……なんでもない」