女性向け伝奇アドベンチャー 『神足町人妖譚 ~迷イ子ノ章~』

澪(MIO)
神足町人妖譚
画廊|神足町人妖譚 迷イ子ノ章

▲マウスオーバーで画像変化

朝の公園はジョギングをしたり、体操をしたりと
色んな人が集まりやすい場所だが、《神足町》の
公園には人の姿も、妖の影も見えない。

綺麗に整備されているけど、誰もいないせいか
とても寂しい場所に見える。

千世
「あれ……」

人が、いた。

誰も居ないと思っていた場所で
空を見上げている。

空は澱を集めたように暗い。
雨の心配をしているのだろうか。
それとも――。

天遊
「もう、あんなに遠い……」

千世
(遠い? 何が遠いのだろう)

目を凝らすと彼方に鳥の姿が見えた。
海鳥だろうか。

千世
(バードウォッチングしている……わけないか)

天遊
「ん……?」

目が、合った。

千世
(黄金色の瞳……)

天遊
「何用かな?」